「利益を出すことができていない」、「販売価格の決め方が良くないのかもしれないと思っている」、「でも、販売価格をいくらにしたらよいか実はよくわかっておらず、なんとなく既存品の価格をベースに販売価格を決めている」、「この販売価格で妥当なのか自信が持てない」といったお悩みはありませんか?
実際、私の支援先でも、このようなお悩みを持っていらっしゃる製造業の事業者様がいらっしゃいます。この事業者様は、社長が現状の販売価格の決め方や仕掛品、製品の在庫評価額に問題意識をお持ちの方でした。
具体的には、多品種の製品を製造している事業者様なのですが、「受注毎や製品毎の原価積み上げ計算を行っていないため、お客様へ見積りを出す際にも、利益が出る販売価格を提示できているのか自信が持てない。」、「手間暇(時間)が掛かる製品も、そうでない製品も、品種に関係無く求めた簡便的な在庫評価を行っているため、仕掛品や製品の在庫評価額が実態を表すことができておらず、利益計算が何となく実態を表していないように感じている。」といった問題意識をお持ちでした。
これらを解決して利益を確実に上げられるようにするために、製品の品種毎かつ受注ロット毎の原価計算ができる仕組みを構築しようという取り組みを一緒に進めています。
原価計算とは、製品がいったいいくらで製造できているのかを計算することです。卸売業、小売業など仕入したものを販売するだけであれば、売上から仕入を差し引けば粗利益が計算できますが、とくに設備を使ったり加工や組立などの作業を行ったりして複数の品目を製造する製造業では、原価計算を行うことが粗利益を算定するのに必要になります。このとき、なるべく実際の原価を表せる原価計算を行うことが経営にとって有効です。
また、製造業に限らずサービス業などでも、複数のサービスメニューがあって請負案件毎に掛かる作業工程や作業時間が異なる場合に、それぞれの案件のコストはいくらなのかを計算したい場合に原価計算を活用できます。
さらに、製造費用を変動費、固定費に区分することにより、限界利益、貢献利益の計算を行うことで、どの製品や事業でどれくらい利益を生み出しているか(事業性の評価)などを、全社まるごとだけでなく、事業別、製品別などでも判断できるようになります。
原価計算を実施することで、どんなことができるようになるのでしょうか。
(1) 受注毎、製品毎などの売上総利益が計算できる(どの製品、どの受注案件でどれだけ儲かっているのか、損しているのか)
(2) 販売価格(価格見積り)を決める基準、根拠を得られる
(3) 在庫評価額を適正なものにできる(=利益を適正に計算できる)
さらに、製造費用を変動費と固定費に区分することにより、以下の分析が可能となります。
(4) 受注毎、製品毎などの限界利益、貢献利益が計算できる
(5) 損益分岐点が計算できる(損益トントンになるために、あといくら売上を上げる必要があるのか)
原価計算を実施することで、受注毎、製品毎などの原価実績の把握が可能となり、計画と実績の差異分析や前年度と当年度の差異分析などの原価分析・原価管理を通じて原価低減が実現しやすくなります。経営にとっては、これも最重要な原価計算の目的となります。
原価実績把握
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原価分析(計画と実績の差異分析、前年と実績の差異分析)
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原価目標設定(原価をいくらにすれば良いのか、する必要があるのか)
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原価低減の施策検討(原価低減の攻め所発見とその対策検討)
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原価低減を実現
皆さんも、原価計算・原価管理のしくみを構築してみませんか? しくみの構築といっても、必ずしも最初から何かITシステムを導入しましょうということではありません。まずは、エクセルベースなど簡単なしくみづくりから始めることで構いません。
原価計算・原価管理を実施することで、一緒に赤字脱却、損益改善を実現しましょう!
(富永 周一郎)
