「うちはまだアナログだからシステム入れて効率化したいんだけど支援してもらえませんか?」と相談されたらどうしますか? こんなとき、診断士に求められる役割はどんなものがあるでしょうか?長く中小企業向けの業務パッケージシステムに関わってきて、思ったところを述べてみたいと思います。
会計や給与計算といった業務では、中小企業向けに多くのSaaSサービスがありますが、機能面ではあまり大きな違いはありません。販売管理など業種・業態でやり方が異なる業務領域であっても、その業種・業態にある程度合った業務パッケージシステムが存在しており、少しネットで検索すればすぐに適当なものが見つかります。そういう意味では、誤解を恐れずに言うと、システムを選ぶときは、見た目や使い易さが好みに合うか?という点とコストが重要なポイントなのかもしれません。
とはいえ、支援者である我々は、特に販売業務の場合は重要ですが業務を徹底的に理解し、その“ツボ”を押さえておく必要があります。ビジネスの流れ、業務フロー、システム全体イメージ、機能一覧などを作ることになります。業務理解のためのヒアリングに際しては導入時に抵抗勢力になりそうな従業員と親しくなっておく必要もあります。
2~3社のデモをみて、機能・使いやすさ・コストから比較することになりますが、診断士はITベンダーと中小企業の間に入り、ファシリテートするのが一般的な形だと思います。
結局、システムといっても「ヒト」の存在が成否を大きく左右します。
以前、尊敬するコンサルタントから「ライトパーソンか?」と言われたことがあります。システム導入時に窓口となる人物が、それに見合った正しい人がやっているか?と問われたわけです。
システム導入の際の窓口となる人物には、大きな負荷がかかります。業務パッケージに合わせて自社の業務をどう変えていくかを社内で検討し、ベンダーと調整し、クリティカルなものは会社トップとも折衝したり、場合によっては取引先にも影響します。
もっともハッピーなパターンは、有望な若手社員が窓口となり、導入プロジェクトを通して成長してくれることです。
そうした若手もおらず、見合う人物がいない場合は、「伴走支援」という枠を飛び越えて診断士も支援する必要があるのかもしれません。ある社長からこんなことも言われたことがあります。
「そばで見ているのでなく、一緒にやって欲しいんですよ」
IT化に限った話ではありませんが、「伴走支援」で自走化を促していくことは容易でなく、中小企業診断士である私にとってもなかなか挑戦しがいのあるテーマだなぁと思う今日この頃です。
(白取 光輝)
