皆さんは、独占業務という言葉をご存知ですか?
独占業務とは、特定の資格や免許を持つ専門家のみが行うことが許可されている業務のことです。例えば、法律に関する業務は弁護士、税務に関しては税理士、社会保険、労働保険に関するものは社会保険労務士、などがあります。
そして一般的には、中小企業診断士には、独占業務がないといわれています。
しかし、実は中小企業診断士という資格所持者しかできない実質独占業務といえるものがあるのです。
産業廃棄物の運搬車両を皆さんも一度は見かけたことがあるでしょう。産業廃棄物の収集・運搬を行うためには、役所の許可が必要です。この産業廃棄物収集運搬業務の許可を得るためには、申請又は更新時に書類を役所に提出する必要があります。この書類そのものは中小企業診断士でなくても作成できます。
しかし、申請書類において経理的基礎の観点で、財務内容によっては、債務超過状態などの場合、中小企業診断士による財務診断書が求められます。
都道府県等により、財務診断書を求める具体的な条件や財務診断書に記載を求められる内容は異なっています。しかし、概ね、財務諸表に基づく財務診断、診断結果、債務超過に至った原因、改善策、これからの決算書見込が求められています。この財務診断書により役所の承認が得られないと、申請の許可が得られないのです。
ここに、先ほど、述べたような、実質独占業務が生まれてくるわけです。
このように産業廃棄物収集運搬業務と行っている事業者からは、申請・更新には財務診断書等が作成できる中小企業診断士が求めれています。中小企業診断士にとっては、大きなビジネスの窓口となります。
中小企業診断士は財務診断だけではなく、経営全般についてもアドバイスできます。産業廃棄収集運搬の事業を行っている方には中小企業診断士を頼っていただきたいと思いますし、また中小企業診断士も頼られるようになっていただきたいと思います。
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(林原 敏夫)