・はじめに
昨今、原油高や海外情勢などにより、社会全般の価格が上がっています。今回は,価格転嫁の進め方について、対個人客(BtoC)と対企業(BtoB)のビジネスモデルに分け代表例をお話します。
・対個人客(BtoC)
個人客は企業よりも価格変動に敏感です。そのため、安直に価格転嫁を行ってしまうと、すぐに客足が遠ざかることになりかねません。
私がお勧めしているのは、常連客にこっそりどのくらいまで価格を上げても良いか聞いてみることです。実際に尋ねてみると、意外に価格上げることに納得してもらえるケースが多いです。
・対企業(BtoB)
企業の場合は大きく異なります。特に大企業は、価格転嫁交渉と、価格転嫁に応じることを求められています。中小企業庁のホームページでは大企業の実名入りで、対応の度合いが公表されています。
中小企業庁ホームページ2022年9月フォローアップ調査結果(2)
https://www.chusho.meti.go.jp/keiei/torihiki/follow-up/dl/202209list.pdf
取引先には 恐れずに価格転嫁交渉を要求してみましょう。
・価格転嫁交渉の前に準備したいこと
そうは言っても、価格を上げたら客が来なくなる、他社に発注されると心配の方も多いと思います。そのために常に準備したいことがあります。
①差別化
どうして客が来店するのか、企業があなたの会社に発注するのか考えてみましょう。価格以外の要因(品質、納期、信頼、サービス等)をしっかり踏まえ、その強みをさらに伸ばすことで、単なる価格競争を脱することを考えましょう。
②複数取引先の確保(BtoB)
一つの企業から注文をもらっているのでは、その企業に逆らうことは中々できません。たとえ業績好調でも、常に複数の企業と取引することを考えておきましょう。
(福田 幸俊)